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大学:結婚後

無自覚

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「金之助、礼を言いにきた。」

珍しく手土産を持ってふぐ吉に行った。
鴨狩の一件で、自覚の無い嫉妬心に駆られて琴子を傷つけたおれに、助言をくれたのは金之助だった。
そして、食堂で鴨狩が琴子に告白をした時…自分を呼びに来てくれていなかったらどうなっていたのかわからない。
もしも間に合っていなかったらと思うと胃の奥がグッと握られたような不快感を覚えた。

「なんや、気味が悪いな。槍でも降るんやないんか?」

金之助はカッカッカッと笑いながら、トン、と熱燗を置いた。

「…おれもおまえみたいになっちまったな。」

そう言いながらクッと笑いながら金之助を見ると、呆れた顔でこっちを見ている。

「おっまえ!何を今更いっとるんや!?おまえがシット深いのは今更始まったことじゃないやろうが!」

思わず目を見開く。おれは昔から嫉妬深かったって言うのか?
つついていた小鉢の箸が止まった。

「オレがおるときは大体おまえ、シットしとったやん。」
「そんなわけないだろ。昔から琴子はおれしか見てなかったし。」
「それやそれ、おまえのその言い回し!」
「…?」

思わず眉を顰める。この言い回しに何か問題があったんだろうか。

「おまえ、本当に恋愛には奥手というかニブいやっちゃのー!
…ここだけの話でええから、琴子を好きだと自覚したんっていつや。言うてみい。琴子には言わへんから。」

答えにくい事を聞かれ、言うか言うまいか戸惑うが、今回金之助には迷惑をかけている。
グッと酒を煽ると、ぽつりぽつりと話し出した。

「大学…あいつがテニスサークルに入った後くらいから…なんとなく。でも本当に自覚したのは…おまえがプロポーズしたのを聞いた時だ。」

金之助がグッと眉を顰める。それはそうだろう。自分のプロポーズが原因で好きな相手をとられたのだから。
どうやったって不快だろうと思う。自分は苦笑しつつ、また酒を煽った。

「…悪いな…」
「いや、というかおまえ、それ本気で言ってんのか。」
「嘘はつかない。」
「……」

金之助が思わずぷっと噴出し、げらげらと笑い出した。なんだ、一瞬で変わった雰囲気に戸惑いを隠せない。

「それ本気で…!本気でいっとったんか!おまえの最初のシットでオレが覚えとるんは、オレがおまえんちに初めて乗り込んだときやぞ!」
「最初に…うちに…」
「せや。おれが変なちょっかい出すな言うたら、おまえ別に琴子の事気にもせんような態度とっとったんがいきなり『人の気持ちはわからん、琴子はおまえよりおれに気が有るんや』とか言い出して、あれは完璧なシットやった。」
「…高校の頃か…いきなり乗り込んできたおまえにイラついただけだろ。」
「それならあんな家族やら本人の前でそんなん主張する必要ないやろ。」
「……」
「わかってないみたいやけどな、『こいつはおれに気が有る』『琴子はおれしか見てない』ちゅーて、それはおまえ本人の事やで?」

絶句 だった。
してやったりとした顔で、金之助は腕を組んで話す。

「『おれはそんな琴子に気が有ります。だからこいつはおれのです』言ってたのと同じやろ。気がついてへんのは琴子位やぞ。」
「おれは…」
「思い出してみ。琴子に対して理不尽に当り散らした事とか、琴子と一緒におる男に当り散らした事とかどうせ有るんやろ?おまえは普通以上に鈍いのに普通以上にヤキモチ焼き過ぎなんや。」

思わず思い返してみる。酒のせいなのか、頭にカッと血が上る。

「…帰る。」
「おう、帰れ帰れ!」
「…おまえのその記憶力が少しでも勉強に向いてたらまた違ったんじゃないの?」
「ふん!全部勉強につっこんで基本的な事に気がつかんおまえに言われたないわい!」

思わず口が緩む。
そうしておれはふぐ吉を出た。



「まいったな…」

冷え切った空気が酒で火照った頬を撫ぜる。空は高く、夜が続いている。
…帰ったら多分、おれは琴子を抱くんだろう。

「あの頃からだったのかよ…」

昔の琴子と暮らしていた時の葛藤を思い出す。

…あの頃から我慢はしていた。

しかし親の目もあったし、琴子に漬け込むような事もしたくなかったから。
できるだけそんなそぶりも見せないようにもしていた。

あいつは女だから、そして自分は男だから、自分はそんな気持ちになるんだと信じていた。

「…あの頃に自覚してたら、おれはどうなってたんだろうな。」

おれも、琴子も。

そんな事を考えながら、『ただいま』と家のドアをあけた。



「入江くん!おかえりなさい!」

こいつにはきっと、一生言わないだろうけどな。




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【たまち様】コメントありがとうございます!

こんにちは!いらっしゃいませー!
金ちゃんは直樹とはまた違ったタイプのいい男だと思ってます!
本当にクリスはいい男を選んだんだなーって思うくらいにw

あの頃自覚していたら…怖いですねーおそろしいですねー!
直樹はなんだかんだ言ってふんぎりが悪いというか、
なんでそこは勢いでいけるのにそこで立ち止まるのかと思う事が多くて、
やっぱり大学に入ってから気がついたのがベストだったのかなぁなんてw

コメントありがとうございましたー!
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