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高校

2人きりの夏休み【一晩目】

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あたしが入江くんちに一緒に住むようになってはじめての、そして高校最後の夏休みもあと二日。
そんな中、お父さん達は2人で中学校の同窓会に出るため、九州に出かけていった。

慌しい見送りを終え、さて一息ついてリビングに戻ろうかと思うとタイミング良く電話が鳴る。
おばさんがパタパタとそれを取り、二、三言葉を交わし受話器を置くと「たいへん!」とおばさんが困った顔でこちらに話しかけてきた。

どうしたのかしら? 何か問題でもあったのかしら。

「あたしの実家の母が具合が悪くて…いえ大したことはないらしいんだけど、今みんな出はらってて家に1人なんですって」
「わぁ!大変だ!」
「それで来てくれって言うの。で、悪いんだけど裕樹は連れていくから」

 えっ

「お兄ちゃんと2人で家の事お願いね」

一瞬頭の中が真っ白になる。

「えーーーっ!!!なっ、直樹くんと、ふ…ふたり!?」

あたしの頭はいきなりの事にパニック状態。しかも二晩2人きり…

「え、えらいこっちゃ…」

確かに相手はあのあたしにまったく興味の無い入江くんだけど、好きな人と二晩2人きりとか、気まず過ぎて死んじゃう!

こうしてあたしの最後の夏休みは予想外な形になったのだった。



___________




「…って事で、あたしたちもちょっと出るから、お兄ちゃん琴子ちゃんと仲良くね!」
「おふくろ、楽しそうじゃん」

おふくろがいきなり部屋に来たと思うと、ふふ、と笑いながらばあちゃんの具合が悪いから今から自分達も九州に帰ると言い出した。

「で、おれたちを2人っきりにしたくてそういう事をすると」
「あら、自分の親の事は心配じゃない。当然よー!」
「じいちゃん達の家がうちに連絡来るほど完全に出払う事なんてないだろ。あんだけ人居るのに」

母方の一色家は親族が多い。
じいちゃんはキツい性格だが行動よりずっとばあちゃんを大事にしている。だから具合が悪いときにほって置くような事はしない。
何よりこんな遠方の自分達じゃなくても近所に居る叔母や叔父に声をかければ、繋がりの深いうちの親戚の事だ、すぐに自分の用など放り投げて駆けつけるだろう。

「いいの!とりあえずあたし達は行きますからね!家をよろしくねお兄ちゃん」

おふくろはもう嘘を隠す気も無いらしい。
おれは はぁ と溜息をついた。

「…勝手にしろよ。おふくろの希望通りには絶対ならねーけど」
「お兄ちゃん、ずいぶんものわかりがいいのね。珍しい」

おふくろが軽く驚いた顔でこっちを見ている。
別にやましい事なんておれは何もする気無いんだから2人でも何の問題も無いだろ。
本当にまずくなったら部屋に篭ればいいだけだしな。

「おふくろは言ってやめるような性格じゃないだろ。というかどうせ宿もさっさと取ってからおれに言ってるんだろ」
「わかる?」
「まあね」
「もー、面白くない子!……男だったらこれを期に琴子ちゃんに夜這いでもかけちゃいなさい!」
「だから!親の言う事じゃねーだろ!」

なんでうちのおふくろはこんなに息子をけしかけるのか気が知れない。
琴子を気に入ってるなら普通、態度としては逆じゃないのかといつも思う。

じゃあね!と、部屋から出て行くおふくろの背を見ながら、いきなりおれとふたりきりなる事に驚きまくっているだろう琴子を想像した。

…二晩か。飯はどうするかな。外食もな。インスタントや店屋物でも別にかまわないか。

そういえば、琴子の前に作った揚げ出し豆腐は最低だったからな。所詮豆腐なのになんであんな味になるのか不思議でしょうがない。
あいつが手伝ったケーキもクリームを絞るだけなのに酷い出来だった。

どちらも教えてもらいながらの料理だ。
…そういや、親父さんやおふくろが手伝わないあいつの料理ってどんな風になるんだ?


今夜は、あいつに作らせてみるか。

絶対に酷い事になるだろう料理を想像して、思わず口の端が緩んだ。
食えたもんじゃないんだろうな。

まあ、死にゃしないだろ。本当に出来なけりゃどうにでもなるし。





………




…暫くしておふくろが泣いて駄々を捏ねる裕樹を連れて玄関を出て行った。

「おい」
「はっ、はい!な…な…なに、なに!?」

俺が軽く声をかけただけで不安そうな顔でどもって戸惑っている琴子に、さらっと言い放つ。

「夕飯たのむぜ」
「う……うん…」

ビクビクとしながらおれが言った事をわかっているのかわかってないのか、ハァハァと息を荒げ動揺している。
それだけで少し愉快な気分になりながら、自分は階段を上っていった。




………




いつになっても琴子が夕飯に自分を呼びに来る気配が無い。
もしかして、と思いキッチンに向かうと、案の定何も出来ていない。さらにもくもくと黒い煙が充満していた。

「なんだこれは。こげ臭え」

琴子は半泣きでどうしたらいいのかわからないのかあわあわしている。

「だって、だって…ひとつの事してたらもうひとつの事忘れちゃって、なんにもできてないの…」
「何作ってんの」
「このビフテックアンブルジョワーズっていうの」
「…無謀なんじゃない?」

どうせおれに見栄を張りたかったんだろう事があからさまに見て取れる。
不器用なんだからもっと簡単なものでいいじゃないかと思うが、こいつは一回思い込むとどうにも自分の力量を量り違うんだよな。
レシピを見ると、テクニック的なものはそんなに難しいものじゃなかった。ただ手順が多い。
そうでなくても頭の容量が少ないくせになんでこんなもん選ぶんだろうなと思いつつも、もう時間も遅い。
おれは一通り読み終わると本を閉じ、包丁を持った。

「タマネギ貸して」
「は、はい」
「フライパン用意」
「はいっ!」

まさか自分が料理なんてする事になるなんて思いもしなかったが、なんとなく自分の指示に返事をしてぱたぱたと用意をする琴子に文句を言う気にもなれなかった。
ほどなくして出来上がった料理をテーブルに並べていく。
琴子は目を輝かせながら出来上がった皿を見つめている。

「すっごーい!おいしそーっ!本どおりだー!」

いただきます!と手を合わせる琴子を尻目に、自分も作ったものを口に運んだ。
おまえは自分が作るものの出来上がりも想像してなかったのかと思うと呆れるが、ぱくぱくと嬉しそうに頬張っている所を見るとそんなもんなのかなとも思う。

もくもくと食事を進めると、さっきまで半泣きだった琴子が笑顔で食事をしながら、こっちをちらっと伺う。

「ねえ宿題すんだ?」

もう夏休みも終わりなのに、こいつは何を言っているんだ。

「一日目にしちゃったよ」

呆れ顔で言い放つおれに、すごーい!と驚く琴子。
そういえば…と、夏休み頭に祐樹と話していた琴子の発言を思い出した。

『宿題っていうのはねぇ、最後の2日にするものよぉ!』

もしや…

「…まさか、まだしてないとか」
「えへへ、そのまさか!」

ちゃらっと言い放つ琴子に頭が痛くなる。

今年の宿題は去年より少し多かった気がするぞ。
それは受験生である自分達に学校が足したものだろう。

「あんたならどうあがいても徹夜で一週間はかかるよ」

おれの言葉に急に不安になったんだろう琴子が青い顔で口元に手を持って行く。
後悔したって遅いだろ。

「ね、ねぇ…ちょっぴり助ける気…」
「ないね」

自分はそのまま席を立つと、ごちそうさま、と部屋に戻った。
まあ宿題は自業自得。自分の事は自分でしろ。

というか、気がつけよ。
2人っきりにあれだけ緊張してたくせに、深夜におまえの部屋におれが入れるわけ無いだろ。



そしてその日、琴子は部屋に篭った。


なんとなく少し安心したのは、夜中に琴子にあわなくて済んだこと…。



____________________

長すぎた気がしたので2分割。
あの夏休みのスキマというか、一話分の長さがよくわかってません。
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【たまち様】コメントありがとうございます!

こんにちは!たまちさん!

あの夏の企みは、絶対直樹は気がついてたような気がするんですよね。
でも、それでもママに引っかかっちゃう直樹…

しょうがないよね、なんだかんだで自分の中に琴子の場所を作ってあげちゃってるもんね!って感じでw
普通意識も何もしてなかったら夜中にあっても問題ないんだよ!
って事はもう全然気がつかないw

その青さでもっと琴子を意識していけばいいと思います!

それではコメントありがとうございましたー!
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